2月18日(土)アンネのバラ委員会では、NPO法人ホロコースト教育資料センター代表の石岡史子さんをお招きして、ワークショップ「ハンナのかばん」を開催しました。はじめに、委員が活動の紹介をしたあと、石岡さんは実際に「ハンナ・ブレイディ」と名前が書かれたかばんを前にして、ひとりひとりに語りかけながら話を進めてくださいました。スクリーンには、かわいい笑顔のハンナやハンナの家族の写真、そして当時のヨーロッパで、ユダヤ人たちに迫りくる迫害の様子などの写真が次々と画面に映し出されます。参加している委員たちと同じ年頃のハンナ。そのときどんな気持ちだったのだろうか‥。差別・偏見を生み出す心の弱さや、流れに抗うことの困難さ、戦争の中で起きる悲惨な状況などを知るにつれ、どうしてこんなことが起こるのだろうか…と考えさせられました。それぞれが自分の心の中にある弱さとそれに抗う勇気を思い、自分の行動や生き方などを考える時間になりました。当日は、委員だけでなく、保護者の方も参加してくださいました。参加した委員、そして保護者の方の感想を下にご紹介いたします。



委員の感想
今回の講演を聞いて、ホロコーストについてユダヤ人の大量虐殺などの悲惨な歴史を、ハンナという女の子1人に焦点を当てて学ぶことができ、改めて平和の大切さを知ることができました。1940年代という決して遠くはない過去、そして日本からは遠く離れたヨーロッパの出来事であるからといって放っておかず、しっかりと向き合っていくべきだと思いました。ホロコーストに関する映画は今までも何回か見たことがありますが、今回はワークショップという形で平和について学ぶことができたので、より一層理解を深めることができました。(高校生)
歴史の授業で学ぶよりも、もっと深くそして自分に近づけてホロコーストについて考えることができました。石岡さんは“考え続けること”が大切だとおっしゃっていましたが、現在の世界情勢、そして反グローバリズム等の視点から見て、私たち高校生がどのような意識を持つべきなのか、というところまでディスカッションをしたかったです。(高校生)
私はハンナがアウシュヴィッツに送られる時、「お兄ちゃんにあえるから」と言っておめかしして喜んだということを聞いて、びっくりしました。自分が殺されるかもしれないのに、「お兄ちゃんにあえるから」という理由で喜んだハンナは、お兄ちゃんが大好きなんだなと思いました。(中学生)
◆ストーリー「ハンナのかばん」日本の“ふみ子”のもとに、アウシュヴィッツ強制収容所から届けられた一つの旅行かばん。そこには白いペンキで「ハンナ・ブレイディ 1931年5月16日生まれ、孤児」と書かれていました。このかばんの持ち主のハンナは、どんな子だったのだろう…。“ふみ子”はハンナを探し始めます。やがて、アウシュヴィッツで13年の短い生涯を終えたユダヤ人の女の子ハンナのことが少しずつわかっていきます。そして、ハンナには仲良しのお兄ちゃんがいた。そのお兄ちゃんが、奇跡的に生きている…!!日本の子どもたちから送られた手紙に、カナダに住むハンナの兄ジョージから返事が届きました。そこには、かわいい笑顔の女の子、ハンナの写真が添えられていたのでした…。現在、世界の40カ国以上で翻訳され、映画や演劇にもなっている『ハンナのかばん』。今回のワークショップ講師の石岡さんは、この実話の主人公“ふみ子”なのです。